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江戸しぐさ活用法

江戸しぐさに出合って

 方々の企業から「人間力の高い経営にしたい」「人格を高める人材育成をしてほしい」という要望が増えています。経営教育コンサルタントとしてこれまで、心の価値を高めるプログラムや、社員が主体的に参画できる企業風土づくりを提案し、実践してきました。そんな中で、清水義晴先生から越川禮子先生の「江戸しぐさ」を紹介された瞬間に、「これこそ私が求めていたものだわ!」と、その出合いに感謝しました。

 今、コミュニケーションが時代のテーマです。家族は言うに及ばず企業も社会も、関係を円滑にするために、さまざまな理論やスキルを取り入れ学んでいます。

 しかし、それだけでは真の豊かな関係が広がっていかない限界があります。江戸しぐさは、「草主人従」---自然が主で人間は従---という宇宙観を持ち、人間は謙虚さを欠いてはいけないことを教えてくれます。「人はみな仏の化身」という哲学で世に住む人はみな緑ある人と考え、助けあい労りあう心と言動を一致させた数多くの仕草があります。それはまた、立場を超えてお年寄りから物心がついたばかりの子どもまでが身に付ける学びでもありました。

 これこそが私がご提案する人材育成であり、広げていくことが私の役割と考え実践しています。

安心のコミュニティづくりのために

 いま“江戸”が静かな関心を呼んでいます。江戸の文化とライフスタイルは現代の社会でも通用するのではないかと見直されています。

 新潟市が主催する「にいがた市民大学」では、平成十九年度事業として「江戸町衆の文化と日本人」をテーマに、一年間のコースが組まれました。上半期九回のセミナーでは、江戸時代を慨観して、江戸の暮らしと文化について学習します。そのベースの上に、下半期は"江戸しぐさ"と"今しぐさ"(今の世相)と比較した上で、現代社会にふさわしいしぐさ---"にいがたしぐさ"をゼミナール形式で勉強します。受講した人には、にいがたしぐさのファシリテーターとして地域活動や公民館の生涯学習、企業や学校へ、その成果を広げていくことが期待されています。

 今、コミュニティの崩壊が問題とされながらも、なかなか打つ手が見えてきません。「にいがた市民大学」の取り組みは、コミュニティ再構築に向けた一つの提案になるのではないか、と秘かに思っています。

 江戸時代に日本を訪れた外国人の人たちは、簡素の中に溢れる豊かさと大らかに笑い合う陽気さ、それでいて親しい中の礼節が社会の隅々にまで広がっている日本の社会に、一様に驚きの声を上げています。日本人の持つべき基軸が問い直されている今、この江戸しぐさを学び鍛錬し広げていくことに大きな意味があるのではないか、と考えています。


株式会社モアクリエイション 代表取締役 柴田光榮


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新潟江戸しぐさ研究会